Netflixドラマ『阿修羅のごとく』2話ネタバレ感想&考察:新聞投書で家族に波乱が…!

Netflixシリーズドラマ『阿修羅のごとく』第2話

画像引用:ナタリー

Netflixドラマ『阿修羅のごとく』2話ネタバレなしあらすじ

1979年の冬、新聞に父の不倫をめぐる“投書”が掲載されたことから、四姉妹の間に波紋が広がる。投書は匿名の主婦によるもので、記載された内容から、家族は自分たちのことだと直感する。誰が投稿したのか疑心暗鬼になりつつも、それぞれの思いを胸に四姉妹は再び実家に集まる。

しかし、父は深夜になっても帰ってこない。四姉妹は、父・恒太郎は浮気相手と駆け落ちしたのではないかと不安を募らせるが、母・ふじはまるで心配していない様子でーー。

Netflixドラマ『阿修羅のごとく』2話のネタバレ感想・見どころ

波風立てられたくない昭和の男たち

女は夫に不倫されても「つまらない憶測なんかせず、おっとり構えてる方が利口」と鷹男。全女子が、即座に大声ではあ?と叫んでしまいそうなセリフを、昭和のスーパーアイドル・もっくんこと本木雅弘に言わせました。今、男性アイドルがこれを言ったら、Xがざわつきそう。逆に注目が集まって人気出そうですけどね!

母の書いた投書も「波風立てずに過ごすのが本当に女の幸せなのか」と締められています。女は騒がず喚かず、無知で鈍感あることが、男性の思う”女の幸せ”だなんて、にわかに信じられない。自分に非がないのに、どうして我慢しなきゃいけないんだ!とは思うけれど、昭和のこのころ、夫の不倫を見過ごすより、女性が夫と別れて一人生きていくことの方が大変なことなのも理解できます。

昭和の良妻の条件って、男にとって大変使い勝手がいい女だと思います。料理裁縫掃除洗濯なんでもこなせて、気が利き、一歩下がって夫を立てる。もちろんそれができる女性は素晴らしいし、本人にストレスなく、その上で言動に自分の意思と自由があるならいいんです。

たまに映画やドラマで昭和の夫たちが、「誰のおかげでメシが食えているんだ」と生活を盾にとって、妻に自分の意思を押し付けるのがもう本当に許せない!昭和の主婦たちは家事に対する賃金が発生しないだけで、1日をただぼーっと過ごしているわけじゃないのに。

昭和、女性にハードモードすぎやしませんか…。

令和の今、男性の価値観もアップデートされた。女性のほとんどが自分のお金でもメシは食えるし、自立して生きていけます。社会的経済的な事情や別の問題はあるけれど、とりあえずは女性が夫の不倫・彼氏の浮気に、遠慮なく波風を立ててられるになったことが嬉しいです。

滝子よ、幸せになれ…!

1話の感想で、滝子の幸せを願ったばかりでした。

そして2話で早速、勝又が滝子にガラス越しの文字告白をかましてくれましたね!

  1. 逃げる滝子を走って追いかけ
  2. 駅の
  3. ガラスに指で「好」と書き
  4. 返事は「バカ」ときた

一昔前、いや二昔前の青春ソングのPVのような、キュン要素万歳のいじらしい告白。滝子の、嬉しさが爆発しているのに顔に出ないように抑えている表情。はにかむ2人がとても可愛い名場面でした。よかったね、よかったね滝子!

1話では、父の不倫に誰よりも心を痛めて一人泣いている滝子だったので、今後も心をすり減らしながら両親を見守っていくんだろうかと心配していました。真面目な滝子だから、周りの結婚プレッシャーも気にしていただろうし。

早い段階で咲子に愛を与えてくれるパートナーができて本当によかったです。このあとの波乱展開は他の姉妹に任せて、滝子と勝又は、ピュアで微笑ましい昭和のお付き合いを見せてくれればそれでいい。私はそれがいい。

ここに注目!:  勝又が三文字目に書いたのは「愛」。この文字だけ見えにくい演出に、勝又の口下手な性格が反映されている

このドラマで一番ろくでもない枡川の主人

ネトフリ版『阿修羅のごとく』で一番ろくでなしなのは、今のところ料亭「枡川」の主人、内野聖陽ではないかと思っています。自分の妻(女将)がおそらく独断で綱子にクビ宣告をしている間、綱子のフォローもなし。クビを言い渡し終えると、気まずさからかさっさと背中を向けて煙草をふかし始めました。

そのくせ、綱子が主人との関係を断とうとすると、綱子家の戸口にしがみついて声を荒げます。通りかかった近所のおばちゃんには人当たりのいい笑顔と声色で挨拶し、おばちゃんがいなくなった途端、豹変して綱子に「あけろ!」と怒鳴る。外面いいけどDVやる人のようで少しゾッとしました…

極めつけは「(扉を)開けたらまたズルズルになる」と拒む綱子に、主人が返した言葉。「ズルズルになったっていいじゃないか」

綱子は仕事を失い、未亡人の自分が人の旦那に手を出してることに後ろめたい気持ちでいるっていうのに。主人自身は何も失わず、綱子を助けもせず、妻との暮らしを続けながら今まで通り綱子をキープしようってのかい!?綱子に対する責任など1mmも考えていないこの主人が、このあとの展開で思い切り痛い目にあえばいいなと思うのでした。

咲子はみそっカスどころか聖人

タコ殴りにされる英ちゃんを見ていられなくて、試合会場から逃げ出した咲子。ボクシングチャンピオンにするために狭い部屋で寝食を共にし、トレーニングも付き合う咲子には、敗北はよほどショックだったんでしょう。試合に負けた英ちゃんに怒鳴られたときは、かける言葉もなく、しょんぼりした様子。

さすがにこれは堪えただろうと思いましたが、そのあとの咲子がすごかった!

いじけて拗ねる英ちゃんに、謝るでも慰めるでもなく「情けない!!!」と一喝。実家に行くのを拒否されると、無理矢理引っ張り出したりはせず、ただ地図を書き残して置いてくる。英ちゃんの扱いが完全にわかっていて、本人には悟られないくらい自然に英ちゃんをコントロールしています。

英ちゃんも、池上の実家の前までは来ていました。朝方、電車も動いていない時間だから、南千住の下宿から池上まで走ってきたのかな?え、20km以上あるんだけど…

怒鳴られても感情に任せてカッとならず、冷静で客観的な判断ができる咲子。姉妹の末っ子らしいずる賢さがあり、もっと言えば人の転がし方がわかっているように思います。セルフメンタルケアもきちんとできる。

咲子は「小さいころからみそっカス」を自称していますが、いやいやみそっカスどころか聖人だよ咲子。メンタルが浮つきがちな英ちゃんには、尻をぶったたいてくれる咲子が絶対必要!

実家でみんなで昔使っていた腹巻やお宮参りグッズを広げているとき、綱子がスタイ?か何かを咲子に巻き付けて遊んでいる様子がとても可愛かったです。2003年の映画版によると綱子は45歳、咲子は25歳。親子ほど歳が離れているので、綱子は咲子を特に可愛がっていそうですね。ちなみに巻子41歳、滝子は29歳とのこと。

竹沢家を支えるのは鷹男

男らしく父らしく威張りたいけれど、お調子者の面もあるせいか妻・巻子からも2人の子どもたちからもちょっと軽く見られがちな鷹男。綺麗でおっとりした綱子には甘いし、巻子には頭が上がらない。良かれと思ってキューピット役を買って出ると滝子にはキレられていました。

男はこうあるべきた!の理想像を口にはするし、女(主に巻子)に愚痴愚痴言うけれど、頼まれたことは断れないし、父と不倫相手と女サイドの関係を取り持つ調整役に回ってくれている。鷹男は今のところ、誰よりも竹沢家の役に立っています。おそらく根はいい奴。

ただ、巻子が言うには、鷹男も不倫しているらしい。鷹男の「会議」が不倫を指しているのかと疑っているけれど、会議の日でもあまり遅くならずに家に帰ってきているし本当に会議なのかも?

Netflixドラマ『阿修羅のごとく』2話のネタバレ考察・解説

新聞の投書を書いたのはやはり母か

今回、四姉妹を騒がせた新聞の投書は、やはり母が書いたものだと思います。ただ、最後まで母は投書の存在を知らぬふりしているし、明確な証拠も見つかったわけではありません。

巻子が咲子からの電話を受けて新聞を読んだとき、投書を読み上げたのは滝子(蒼井優)の声でした。そのまま後半まで滝子が投書について言及する場面はなく、滝子が犯人だと思いこまされるというミスリード。

母が爪を切る父に新聞を敷けと差し出したとき、アップで映された投書ページに「何も知らないんだから」の声が重なります。これは「私があなたの不倫を知っていることや、私がどんな気持ちでいるかも知らないで」と母の嫌味と解釈できます。

後半、なかなか家に帰ってこない父を四姉妹は心配している様子でしたが、母は心配の言葉を口にするでもなく、おっとりとした微笑を顔に貼り付けたまま。玄関で鷹男を出迎えたときも、表情強ばる4人に対して、画面中央を陣取る母の顔は、やはり笑顔。まるで能面のようです。

巻子が玄関で見つけた靴べらのイラストは毎朝新聞の四コマ漫画『グーチョキパー子』で、投書欄の挿絵もパー子だったことを思い出した。それで、投書は四姉妹の仕業ではないとなると…、母が書いたのだと結論付けたのだと思います。最後、母の声で投書が再び読み上げられたのは、「投書犯人は母説」の肯定だと考えてよいでしょう。

ここに注目!: 高雄を出迎える四姉妹(心配そうな顔)と、母の表情(笑顔)の差。笑顔の母に、かえってゾッとします…

なぜボクシングの試合には父が行ったのか

ボクシングの試合当日を迎え、咲子は英光に「母と並んで応援する」と言っていました。しかし、試合が始まって咲子の隣の席に腰を下ろしたのは父。作中でその理由については語られず、2話終了時点では謎のままです。

火・木曜だけ仕事に出る父は、木曜日のこの日は仕事のはずです。一方、母は家にいた様子で巻子は実家を訪ねています。

おそらく、母はこの日の朝刊に投書が載ったことで、家庭内に一騒動起きることを覚悟した。巻子が実家に来ることになり、もしかしたら投書の話をされるかもと試合観戦よりそちらを優先したのではないでしょうか。一見、微笑を湛えて動じていない様子の母でしたが、内心は動揺に揺れていたのかもしれません。

冒頭、鷹男は「女はつまらない憶測ぜずおっとり構えてるほうが利口」と言っていました。母はまるでその言葉を体現するかのように、表面上はおっとり構えています。

阿修羅の母は豆まきに参加せず

今回は、2/3節分の一日が第2話の尺丸ごとかけて描かれました。後半、四姉妹が豆まきをしている場面。4人は並んで、縁側から庭に向かって豆を投げています。一様に庭を向く4人の奥に、豆まきに参加せず室内で別の方向を向く母の姿が映ります。

阿修羅は”鬼神”であり、父の不倫で心は阿修羅という鬼に変わってしまった母は、鬼を家から追い出し福を招き入れる豆まきに参加するわけがありません。自分自身が鬼なのだから。

豆まきの時点では四姉妹は、母が父の不倫を知っていることを知りません。彼女たちは「鬼は外、福は内」の掛け声に事態の収束と家庭の平穏を願っていたことでしょう。自分たちのすぐ後ろ、家の中に鬼がいるとも気づかずに…。

ここに注目!: 豆まきシーン。揃って庭を見下ろす四姉妹の右奥で、画面上で一人だけ別方向を向いている母。娘たちと母の、父を待つ気持ちの差が、向く方向で示されています。

料亭「枡川」の女将も不倫を知っている?

料亭「枡川」の女将もまた、綱子と主人の不倫に気づいているようです。

綱子と向かい合った主人が神妙な面持ちで「長いことお世話になりました」と言うカット。綱子と主人の2人しか映っていないので、不倫関係の別れ話かな?と思わされます。

しかしそのあと、カメラがゆっくり横に移動すると、綱子の陰から不気味なほど満面の笑みの女将が現れます。仕事委託の終了というかたちで、波風立てず穏便に、不倫相手の綱子を叩きのめした女将。

綱子のクビはおそらく女将の独断であり、言いくるめられただろう主人は「2月は料理屋(の売上)は厳しいから…」と口を濁します。女将は、主人が昨日伊豆ゴルフで買ってきたという干物を綱子に渡しました。綱子と主人は昨夜〜今朝まで一緒に過ごしていたので、伊豆に行っていたというのはもちろん主人が女将についた嘘です。

節分の日、女将から邪鬼と見做され店を追い出されたた綱子は、主人と決別を決心しますが、主人はそれを許さない様子。綱子の家まで来て「干物が食べたい」と呟いた主人を、綱子もまた拒みきれませんでした。

綱子と主人の不倫関係の描写が多くなってきました。次に騒動に発展するのは、どうやら彼らになりそうですね。

ここに注目!:「枡川」でのクビ宣告シーン、綱子の陰から現れる不気味なほど満面の笑みの女将

 

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