Netflixドラマ『阿修羅のごとく』5話ネタバレ感想&考察:滝子と勝又が結婚!咲子に忍び寄る不穏

Netflixシリーズドラマ『阿修羅のごとく』第5話

母ふじ亡きあとも、それぞれの不倫や欲求は止まらないどころか、どんどん深みに嵌っていました。登場人物たちの欲望がより深く、香り濃く描かれた5話。

今回、滝子がようやく幸せを掴んで束の間の晴れ空が見えたかと思えば、咲子の暮らしに不穏な気配が…まったく、嵐の中にいるようです。荒れ模様はまだまだ続きそう…!

画像引用:ナタリー

本記事はネタバレを含みます。まだ未視聴の方はご注意ください◎

Netflixドラマ『阿修羅のごとく』5話ネタバレなしあらすじ

池上の実家に勝又が下宿することになった。勝又は恒太郎に「自分が浮気調査をし、それがきっかけで滝子と知り合った」と打ち明けた。恒太郎が勝又のことを”嘘がなくていいやつ”と評していることを知り、どうしても隠しておくことができなかったのだ。「お詫びのしるしに滝子を大切にするし、一生浮気しない」と誓う勝又に、恒太郎は腹を抱えて大笑いした。

長女・綱子の息子・正樹が婚約者を連れて実家に帰ってきた。綱子は婚約者を素直に受け入れられない様子だ。

巻子は綱子の再婚を考え、鷹男を使って綱子を説得。のらりくらりと躱す綱子だった。

滝子と勝又は結婚を決め、迎えた式当日。咲子と英光は派手な装いで参列し、周りを騒がせる。そして、英光がある騒ぎを起こす。

Netflixドラマ『阿修羅のごとく』5話のネタバレ感想・見どころ

勝又と滝子がついに!そして結婚

このドラマの唯一の希望、勝又と滝子がやっと結ばれたと思ったら、次の瞬間には結婚という怒涛のハッピー展開。おめでとう滝子〜!

照明吊るし中の滝子のお尻にわしっとしがみつく勝又も、見違えるほど雰囲気が柔らかく綺麗になったわかりやすい滝子も、どちらも微笑ましくて。こんなピュアで清らかな人たちが誰よりも幸せになってほしいと願わずにはいられませんでした。だからこそ、晴れの日を邪魔する咲子と英ちゃんに腹が立つわけなんですが…。

4話で父・恒太郎がボヤ騒ぎを起こしたこともあり、このまま一人暮らしをさせておくのは心配だけど、四姉妹の誰も父と一緒に住もうとしなかったのに、勝又はよくぞ下宿を了承してくれたものだと感心しました。冷静に考えて、よく住んだな勝又!

男女関係なく相手を尊重して、不器用ながらもきちんと言葉にして伝えられるのが勝又のいいところであり、作中の勝又以外の男たちが誰もできていないところ。勝又はきっと、いま令和の時代でもなんだかんだ幸せを掴むことができると思います。

結局のところ、男女間はきちんと伝えなきゃいい関係は築けないのかも。

貞治は綱子にとってのピーターパンなんだ

これまで何度となく「枡川」主人・貞治と別れようとして、離れられないでいる綱子。ずるずると関係を続けようとする貞治を、なぜ綱子は見限らないのだろうとずっと思っていたんですが、今回わかってしまった。

貞治は綱子にとって、冒険に連れて行ってくれる悪友でありピーターパンだったんです。

5話では綱子の長男・正樹が婚約者を連れてきました。夫を亡くし、たった一人の息子という宝物も、いま他の女に取られようとしている綱子の心境は、寂しさ、嫉妬、悔しさ、息子の幸せを両手をあげて喜べない自己嫌悪…。もっと色んな感情がごっちゃになって、たぶん想像を絶する。

控えめに言っても”感じのいい”、”上玉”な婚約者・里子の粗を探して唇を尖らせる綱子に、貞治は赤ワインを障子にぶちまけさせてくれました。こんな暴挙を許して、しかも障子の張り替えまでしてくれるとは…。貞治という男、なかなかやりよる。

例えば、PMSのイライラって自分でも呆れるくらい理不尽じゃないですか。それを「君は少しも悪くないよ、僕がなんでもやるよ」なんて甘やかしてくれるメロい男がいたら、とりあえず怒りが治るまではお言葉に甘えたくなっちゃいますよね。

貞治が一緒に悪さをしてくれて、綱子のマイナスな感情を方向転換してくれたから、綱子は夫がいなくても暗くならずに生きてこられたのでしょう。

いま、息子を失おうとしている綱子が、貞治から離れられるわけがありません。長女らしからぬ天真爛漫な綱子が私はすごく好きなので、巻子の再婚プッシュにブチ切れる綱子とかをぜひ見てみたいです。

咲子と英ちゃんの崩れそうな砂の城

英ちゃんの健康状態が翳りはじめ、なんだか雲行きが怪しくなってきました。咲子は勝利のゲン担ぎのために貯金もしていないようだし、いつか試合に負けてメンタル暴落して荒れる英ちゃんを思い返すと…、ボクシングができなくなった場合を想像して不安しかありません。

英ちゃんがチャンピオンになってからの咲子の高慢さは、少し目に余るところがありましたが、いまからジェットコースターに乗って降下していくだろう咲子を思うと、じわじわと下りゆく背中に向かって「頑張れよ」と声をかけたくなる。

数珠繰りが唯一の楽しみで熱心に息子の健康を祈る義母と、落ち込む英ちゃん、息子の勝利を全部咲子が背負えるんだろうか…。まだ、咲子が困ったときあてにできる姉が3人もいてよかったと思ってしまいます。

あれだけ頑張って掴んだ咲子と英ちゃんの栄光が、次回6話で砂の城のようにサラサラっとあっけなく崩れてしまわないか、もうハラハラしています。

Netflixドラマ『阿修羅のごとく』5話の考察・解説

教育勅語とは?国が決めの価値観を教える修身

5話中盤、綱子らが教育勅語を朗読するシーンがありました。

綱子に再婚を勧める巻子に対し、
鷹男「修身が好きだね」
綱子「修身というか教育勅語でしょ」
「教育勅語」は1890年(明治23年)に日本の明治天皇によって発布された、教育に関する指針を示す勅令のこと。
教育勅語では、天皇や国、親に忠誠を誓うことや、家庭内の和を保つことの重要性が説かれています。夫婦、兄弟姉妹が仲良く協力することが、社会の秩序を保ち国を強く豊かにすることに繋がるとされていました。
その教育勅語を、少年少女たちに教えこむ科目が「修身」です。修身の授業は戦前まで行われていましたが、国家主義を強制する側面が批判され、戦後に廃止されました。
国が定めた、国民は家庭はこうあるべきという価値観を、授業で教えていたわけです。SNSはおろか、テレビもない時代に、授業でそう教えられたら、それが正しいあり方だと思ってしまうのは当然のこと。
昭和の多くの人が共通で抱いていた「こうあるべき」の考え方は、修身によって叩きこまれたとも言えます。
戦時中〜戦後初期に学生生活を送った綱子と巻子は修身の授業を受け、教育勅語で説かれた価値観が心の奥に染みているのかもしれません。

咲子が滝子を攻撃する理由

咲子は「今まで自分たちを見下してきた奴らを見返したい」との望みを英光に託し、熱心にサポートをしてきました。咲子はなぜ、誰を見返したかったのかを考察してみます。

頭の回転が速く、男性のあとを一歩さがってついて行くより、並走したいタイプの咲子。いまでこそ、そんな咲子の性格は主体性がある、好奇心旺盛と褒められる美点です。しかし男性を立てる女がよしとされたこの時代、咲子は出しゃばりで女らしくないと、性格を改めるよう言われていたと思います。

上の姉の滝子は、頭がよくて(男性に対しては)控えめ。身を飾ることに関心がなく、真面目な性格です。滝子と咲子は、何かと比較され、咲子は「滝子を見習いなさい!」と叱られてきた。

「今まで自分を見下してきた奴ら」は、咲子の性質を評価せず叱ったり蔑んできた大勢の大人だと思います。

ただ、咲子の中に”具体的な誰か”浮かぶわけではない。そこで鬱憤をぶつける標的として、目の前にいる滝子を無意識に攻撃してしまうのでしょう。

咲子は1話から何かと滝子に突っ掛かり、気を抜けば二人はすぐ喧嘩をしています。

これまでは咲子の言葉にカチンときて応戦する滝子でした。滝子は滝子で、咲子のように特定の誰かから愛されたり必要とされないことを心の底で悩んでいた。その悩みが勝又によって解消された滝子はもう、「自分は何言われたっていい」と言えるほど心に余裕がありました。

英光がチャンピオンになってからも、自信の価値を確かめるかのように周囲の人にマウントを取り続ける咲子。咲子の悩みの根本は、咲子自身の価値を人から認められない限り、解決されないのかもしれません。

 

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