2025春ドラ狂作No.1『ディアマイベイビー』全話ネタバレあらすじ・感想&考察!マネージャーの狂愛支配

ドラマ『ディアマイベイビー~私があなたを支配するまで~』作品情報

作品情報

⚫︎ 主演:松下由樹
⚫︎ 原作:MANGAmuse・テレビ東京『ディアマイベイビー』
⚫︎ 脚本:岸本鮎佳
⚫︎ 監督:河原瑶、松丸博孝
⚫︎ 音楽:田井千里
⚫︎ 放送:2025/4/4〜 毎週金曜 夜24時12分
⚫︎ 放送局:テレ東

主題歌

オープニングテーマ:ファントムシータ『すき、きらい』

エンディングテーマ:阿部真央『マリア』

 

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ドラマ『ディアマイベイビー~私があなたを支配するまで~』登場人物・キャスト

吉川恵子(松下由樹)
– 芸能プロ・ロジャーエンターテイメントでマネージャーをしている。新人俳優・拓人の担当になり、愛情をこじらせていく。

森山拓人(野村康太)
– 新人俳優。恵子にスカウトされて業界入りしたが、愛情過多な恵子によって生活も精神も支配されつつある。

森山雪乃(山口紗弥加)
– 拓人の母親。幼い拓人にトラウマを植え付け、現在は別居している。俳優になった拓人の前に再び姿を現す。

南雲美羽(中村ゆりか)
– 女優。拓人とドラマ共演した際、恵子の異常さに気づいて以降、拓人を気にかけている。

山部克己(長妻怜央)
– ロジャーエンターテイメント所属の俳優。注目の実力派俳優として人気上昇中。

奥村進(岩谷健司)
– ロジャーエンターテイメント社長。恵子が拓人に異様なほど執着していることに気づいているが、静観している。

春日井丸世(異儀田夏葉)
– 山部克己担当マネージャー。山部のマネージャーが恵子に変更になった際は、拓人を担当した。

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森山拓人役の野村くんは、俳優・沢村一樹の息子さんです!すごく似ているってほどじゃないけれど、親子だと知ってからよく見ると鼻〜口元が似ている気がします。美男子…!

 

ドラマ『ディアマイベイビー~私があなたを支配するまで~』最終回まで全話ネタバレあらすじ

第1話:運命の出会い

俳優・森山拓人が担当マネージャーをナイフで刺したというニュースが報じられた。

事件より遡ること7か月前。拓人は芸能事務所・ロジャーエンターテイメントのマネージャー・吉川恵子にスカウトされる。恵子は業界でも有名な敏腕マネージャーで、長年二人三脚で歩んできた女優・垣内麗奈に捨てられる形で裏切られたばかりだった。

スカウトからまもなく、恵子のツテで拓人はドラマのオーディションに参加する。演技経験がない拓人は、緊張でセリフを忘れ、拓人のアピールタイムは途中で打ち切られた。失敗に落ち込む拓人だったが、帰り道、合格の連絡が入る。

オーディション終了後、恵子はプロデューサーにセクハラの証拠を突きつけ、拓人を合格させるよう脅していたのだった。

合格の知らせを聞いた恵子の嬉しそうな笑顔を見て、これまで恵子のことを「厳しい人」だと思っていた拓人は驚き、それから合格の喜びを噛みしめた。

ーー7か月後、恵子の自宅には、血を流しながら横たわる恵子と、血濡れの包丁を握る拓人の姿があった。

第2話:あなたの味方はだぁ〜れ?

拓人は初めてのドラマ撮影に臨んでいた。緊張で演技もぎこちない拓人だったが、共演の女優・南雲美羽の気遣いで、拓人の緊張は少しずつ和らいでいく。撮影中、拓人に対して過干渉な恵子を見て、美羽は違和感を感じたようだった。

衣装替え中に、拓人は衣裳スタッフから数人で飲むから来ないかと誘われる。拓人は撮影の足を引っ張っている自覚もあり、少しでもスタッフと仲良くなろうと、参加を承諾。しかし、部屋の外でその会話を聞いていた恵子は、怒りを募らせながら弁当を握りつぶすのだった。

拓人が出演するシーンが追加されることになった。撮影休憩中に、恵子が監督に取り入ってシーンを追加させたのだ。

追加されたのは、美羽の肩にジャケットをかけてあげるシーン。ジャケットを羽織った美羽は「痛っ」と声をあげる。ジャケット内側には、針が刺さっていた。針はもちろん、恵子が事前に仕込んでおいたものだ。

騒ぎを聞きつけた恵子は、衣裳スタッフを憤怒の形相で責め立てる。さらに衣裳スタッフが拓人をこそこそ誘惑していると暴露し、スタッフ降板を希望した。

その夜恵子は、自信が持てない様子の拓人に、拓人がどれほど特別な存在かを言って聞かせる。幼少期、母親からネグレクトを受けていた拓人は、拓人の存在価値を熱く語ってくれる恵子の言葉を、驚いたように目を見開いてじっと聞いていた。

それから二人は、今後の拓人の躍進を願って、ワインで乾杯する。拓人のグラスには睡眠薬が混ぜられていた。恵子は眠ってる拓人の顔を激写し、愛おしそうに見つめた。

第3話:ルールを破ったのはだぁ〜れ?

(2話の続きから)目を覚ました拓人に恵子は1枚の紙を手渡す。そこには、拓人が守るべきがルールがびっしりと書かれていた。ルールの多さ・細かさに戸惑う拓人に、恵子は「絶対に破らないでね」と念を押す。

翌日ジムでトレーニング中の拓人は恵子からの連絡に気づかず、恵子から叱責される。拓人がジムで偶然南雲美羽と会ったことを話すと、恵子は「誰かとあったらすぐ報告する」というルールも破ったと、さらに怒りを強める。そして拓人に背を向け、「もう帰っていい」とそっけない口調で追い返した。

山部克己から「担当マネージャーになってほしい」と打診された恵子は、担当替えを承諾。これまで山部を担当していた春日井は拓人に付くことになった。

山部と恵子が一緒にいるところを見た拓人は、嫉妬と寂しさが混ざった感情を募らせる。今までの恵子の言葉を思い出していてもたってもいられなくなった拓人は、恵子の家を尋ね、「恵子には自分に付いてほしい」と懇願した。

そのころ、SNSは山部の不倫リークで騒ぎになっていた。

騒ぎが起きる少し前、山部は以前共演した女優と街で偶然会い、飲みに行き、そのままホテルへ。しかしこれは恵子が仕掛けたハニートラップだった。女優は薬指に指輪をはめて、眠る山部とともに写真を撮り、SNSにアップしたのだ。

山部の炎上騒ぎに満足げに笑う恵子は、ルールを破らないことをを条件に拓人のマネージャーに戻ることを快諾する。拓人が帰ったあと、恵子は拓人の写真で飾られた拓人部屋で、山部の写真を燃やした。

第4話:一緒に住まない?

不倫騒動でドラマを降板した山部の代役に拓人が抜擢された。そのドラマの記者会見中、主演の南雲美羽が拓人に色目を使う様子を見て、恵子は気を揉み美羽への警戒を強める。

ドラマクランクイン前に、関係者を集めた決起会がバーを貸し切って行われた。恵子は拓人をあからさまに美羽から遠ざけようとする。恵子が拓人に対して異様に執着していることを確信した美羽は、拓人が恵子から離れた隙を見計らって、拓人に忠告する。

そのころ、拓人と美羽の姿が見えないことに気づいた恵子は、店内を躍起になって探しまわっていた。いまにも発狂寸前というとき、無事拓人が戻り、胸を撫で下ろす恵子。

ドラマの撮影が始まり、共演シーンも多い拓人と美羽はさらに打ち解けていく。しかし、撮影が進むにつれ拓人は、監督監督が美羽にだけ厳しく、拓人の演技に対しては指導はおろか感想もないことを悩んでいた。監督は興味ない俳優には反応が薄いのだとスタッフたちが噂していた。

拓人の悩みを見抜いた恵子は監督に詰め寄り、「拓人はここにいる誰よりも価値がある」と宣言する。恵子の言葉は、またしても拓人の胸を揺さぶるのだった。

拓人を手の届くところに置いておきたい恵子は、一緒に住まないかと提案する。当初は躊躇し返事を保留していた拓人だが、恵子が自分にかけてくれる言葉やまなざしを思い出し、恵子の熱意に応えたい、と恵子の家に同居することを決めた。

第5話:30歳差のキス練習

恵子の家に拓人が引っ越してきた。拓人と一つ屋根の下の暮らしを謳歌する恵子。

近頃の現場での恵子の異常な言動が、関係者や事務所内でも噂になってきているようだ。撮影中ドラマの最終回の台本をチェックした恵子は、拓人のキスシーンがあることに憤慨し、キスシーンを断ろうと息巻く。しかし、あることを思い付き、機嫌を直した恵子は軽い足取りで拓人の元に向かう。

そのころ、ジムでトレーニングをしていた拓人。恵子と一緒に住んでいることを美羽に報告した。恵子の異常さを見てしまった美羽は、拓人を心配し連絡先を交換する。そこへ拓人を探して恵子が現れたが、間一髪、美羽と一緒にいるところは見られずに済んだ。

ジムのあと、拓人は一人で買い物に行くと言う。恵子が跡をつけると、拓人は雑貨屋で女性もののアクセサリーを物色。拓人は誰かへのプレゼントらしく、やきもきする恵子。拓人を見失ってしまい、街中で人目もはばからず、「バブちゃん、どこ?」と発狂する。

恵子が帰宅すると、拓人が誕生パーティーの用意をして待っていた。この日は恵子の誕生日。今日拓人が探していたのは恵子へのプレゼントだったのだ。恵子は思いがけないサプライズに感激し、思わず拓人に抱きついた。

食後、恵子は「キスシーンの練習」を口実に、拓人にキスを迫る。緊張した面持ちでキスに応じる拓人だったが、「やっぱりできない」と恵子を突き飛ばし、家を飛び出す。タイミングよく美羽から電話が入り、拓人は美羽の家を訪ねる。

一人残された恵子は、暗い部屋でバースデーケーキを手掴みで食べながら、泣いていた。

第6話:たっくんが必要なの

拓人から恵子とのキス練習の話を聞いた美羽は、「気持ち悪い…」とこぼし、恵子の異常さを拓人に説く。恵子への恩に応えたい気持ちはわかるけど、話し合うべきだと拓人を諭した。

帰宅した拓人を、恵子は問い詰める。プライベートまで管理されるのはおかしいと拓人が反論すると、恵子は「誰に入れ知恵されたのか?」とさらに怒りを強めた。そして、秘密の拓人部屋に籠もった恵子は、美羽の写真に怒りをぶつけるのだった。

翌日拓人は、恵子の異常なまでの生活管理を社長に相談する。が、話の途中で恵子が部屋に入ってきてしまい、相談は中断を余儀なくされた。

ドラマの好調で知名度を上げた拓人は、街でファンから声をかけられるようになった。握手と写真を求めてきた女性ファンを、恵子が追い払う。恵子のあまりにも過剰な反応に、拓人は思わず、恵子への恐れを口にする。次の瞬間、「私のどこが恐いのか」、「あなたは私がいないと何もできない子どもなの」と、まくし立てる恵子。ショックを受けた拓人は、「もう無理」と呟き、走り去った。

再び美羽の家に身を寄せた拓人は、母親との確執を美羽に打ち明ける。母親はずっと拓人に無関心で、寂しさを抱えて育った拓人は、恵子に必要とされ、特別だと言ってもらえたことが嬉しかった。話を聞いた美羽は、拓人を抱きしめる。

翌朝、帰宅した拓人に、「ドラマがクランクアップしたら出ていって」と告げる恵子。今日の撮影にも付いていかないから、と拓人を一人で現場へ向かわせる。しかし、今日はキスシーンの撮影がある。恵子はいても経ってもいられず、現場でこっそり撮影を見守る。

美羽とのキスシーンを無事に終え、撮影はクランクアップを迎えた。拓人はスタッフの中に紛れた母親・雪乃(山口紗弥加)の姿を見つける。固まる拓人をよそに、笑顔で近寄ってきた雪乃は、卵焼きを差し出す。幼いころの記憶がフラッシュバックし、拓人は思わず母親の手を払いのけた。

拓人は「帰ってください」と、精一杯声を振り絞る。雪乃の目的は金だった。拒絶を示す拓人の態度に、雪乃は次第に語気を荒げていく。甘い声で「拓人が必要なの」と囁き、拓人ににじり寄る雪乃を恵子が引き離し、二人は敵対心をあらわに対峙する。雪乃に突き飛ばされて頭をぶつけた恵子の元へ、拓人は走り寄る。

第7話:私の秘密、見たわね?

頭をぶつけた恵子の額からは血が流れたものの、怪我自体は大したことがなかった。自宅に戻った恵子は、拓人から母・雪乃との関係を聞いて、「私にとって拓人は必要で一番大事な存在だ」と涙ながらに語る。これ以上拓人に干渉しないことを約束し、拓人は恵子の家に留まることになった。

恵子が眠った隙に、拓人は美羽からの呼び出しに応じて美羽の家へ。美羽は「私と付き合わない?」と拓人に告げる。

拓人が帰宅すると、恵子は怖い夢を見たと抱きつき、匂いを確認。美羽と会っていたことに気づいたようだ。深夜、恵子は拓人部屋で美羽の写真にアイスピックを突き立てる。2階から響く「トン、トン」という物音を不審に思った拓人は、恵子の部屋に様子を見にいく。慌てて部屋から出てきた恵子の手には、アイスピックが握られていた。

美羽の家に、血がついたアイスピックが届いた。拓人は、仕事のあと美羽の家に行くことに。恵子には「友達の家に行く」と誤魔化すが、恵子は友人宅まで送ると言って聞かない。友人にご挨拶をすると、美羽の部屋の前まで来てしまった。

緊張しながらインターホンを押すと、見知らぬ男がドアから顔を出し、「久しぶり!」と拓人を迎えた。拓人は美羽と会うと確信していた恵子は、驚いた様子で帰っていった。てっきり美羽が出てくるものと思っていた拓人も、胸を撫で下ろす。拓人からのメッセージで危険を察知した美羽が、機転をきかせて弟を呼び出していたのだった。

拓人が恵子の部屋の前を通りかかると、ドアが少し開いていた。中をのぞくと、ベッドの上に置かれたアイスピックが拓人の目に留まった。部屋の中を仕切るカーテンが開き、拓人は息を飲む。

そこは、拓人の写真や私物が部屋中にびっしり飾られた拓人部屋だった。テーブルに置かれたパソコンからは、美羽の家で拓人と美羽が交わした会話が流れてくる。アイスピックが届いたあと美羽宅で交わした会話は、恵子に盗聴されていた。呆然とする拓人を、背後から恵子がじっと見つめていた。そして拓人は薬品を嗅がされ、気を失ってしまった。

 

ドラマ『ディアマイベイビー~私があなたを支配するまで~』感想

7話時点、ついに気づいてしまった拓人

束縛、ヤキモチ、そっけない態度で駆け引き。支配の過程は、恋と限りなく似ています。拓人が自ら罠にかかっていくのを見ているこちらは「まって!そっち行ったらあかんて…!」と気が気じゃありません。

母親からの愛に飢えている拓人が、恵子の執着のおかげで、子どものころにできた心の穴を埋められてるうちはまだよかった。周りからどんなに恵子の異常さを説かれても、「そう見えるかもだけど、僕にとっては優しい人だ」と跳ね返してきました。

でも、ついに7話で完全に恵子のやばさを認めることができました!が、時すでに遅し…。捉えられてしまった拓人を美羽ちゃんが助けに来るのでしょう。1話から、包帯ぐるぐる美羽ちゃんがチラついていたし。

拓人が美羽ちゃんの告白にどう答えたか謎のままですが、言うまでもなく好き同士な二人。美羽ちゃんと出会ったおかげで、拓人は恵子の支配に気づき、刺すまでに至ったと思うと美羽ちゃんもまたファムファタルですね…。

しかし野村康太くん、「寂しい」って顔に書いてあるしょんぼり顔が上手すぎやしませんか!この子は (´・ω・`) ←これの擬人化なの?

拓人の言う”必要”は、隣に寄り添って声をかけてくれることを指しているけれど、恵子の”必要”はもっと深い。「あなたがいなくちゃ生きていけない」ってくらい依存してほしくて、拓人にはその見込みがあると、恵子はあの日街ですれ違った一瞬で察知した。人の心理を察知して操る術に長けている恵子だからこそ、業界でも名うての敏腕マネージャーなのでしょう。対俳優にも、対関係者にも、その才能は生かせそう。

支配共依存。当人たちが幸せならいいですけど、いつ何がきっかけで不幸にひっくり返るか、他人はおろか当人にもまるでわからないのが人間関係の難しいところだなと思います。きっと、依存が支配になって事件に発展した当事者の人にも、幸せなときがあったかもしれないし…。

芸能界の森に迷い込んだ姫と悪い魔女

Ado製アイドル・ファントムシータのオープニング曲や恵子の自宅、効果音にもあちこちにダークメルヘンな要素があるこのドラマ。

舞台は悪い大人の木が鬱蒼と茂り、闇で見通しもきかない芸能界の森の中。恵子は新人俳優・拓人を己の欲望のために育てる悪い魔女ということは、拓人は無垢なプリンセスということでよろしいんですね?

魔女の甘い言葉につられて森に迷い込み、魔女が自分見つめる目の奥には怪しい光が宿っていることにはまだ気がつきません。

どうやら恵子がおかしいと1話の一瞬で見抜いた美羽ちゃんは、拓人を闇から救い出す王子様ですね!

恵子を刺した拓人は、魔女の洗脳に気づき、悪夢から抜け出そうとして走っているところだったに違いない。拓人姫にハッピーエンドが訪れますように!

どうせ刺されるからハラハラ度はあっさり

冒頭ですでに、愛をこじらせた恵子が拓人に刺されるのが分かってしまっているので、恵子の異常な行動を見て、「拓人これからどうなっちゃうの?」と心配でハラハラ!な気持ちにはあまりなりません。

最後には刺されるというエクスキューズがあるから狂気を見届けられるという、ホラーやスリラーの強刺激が苦手なマイルド嗜好さんでも大丈夫な安心設計になっています◎

1話の時間もだいたい25分くらいと短いので、気持ちが暗く落ち切る前に切り上げてくれます。恵子のメルヘンな部屋や華麗な祭壇のような拓人部屋でリアリティが薄れるおかげで、ちょっとコメディにも見えてくる。

こういう愛に狂う女の物語は、女がクレバーなほどおもしろいと思います。なりふりかまわず「私の男よ!」と周りを蹴散らすんじゃなく、芸能マネージャーとしてきちんと実績やツテがあるうえで、担当を売り出すためにやっているのが恵子の賢いところ。

恵子が以前マネージャーをしていた垣内麗奈も、恵子のおかげで売れたと認めているから、事務所から独立という形でしか恵子を遠ざけられなかったんだろうな。

芸能界、嫌なことも我慢は必要で、メンタル強くなきゃのし上がっていけないのかと思うと、苦悩をちらりとも出さずに今日も可愛い姿を見せてくれる女優俳優アイドルちゃんたちに頭が下がる思いがします。

ドラマ『ディアマイベイビー~私があなたを支配するまで~』考察・解説

【解説】檻に閉じ込められた拓人

恵子の家は、まるで魔女の館のようです。

2話時点で夜しか映っていない家の外観は、玄関先の電球が切れかけてチカチカ点滅しているし、外に立っている木が外壁に細い影を落とします。金属製の門をギイイと軋ませて、魔女さながらフードを被って出てくる恵子。どこまでも不気味。

室内は、黒い木が張り巡らされた天井に、曲線的な階段の手すりの小柱は黒、黒いワイヤーで形作られたテーブル。ところどころ黒で彩られた、重厚感のあるインテリア。画面に黒い線が何本も並ぶ様子は、檻のようにも見えます。

特に、階段の手すりの柵越しに映るショットは、柵の向こうの人物が本当に檻の中に囚われたことを意味します。

2話で恵子に「あなたの居場所はここ」と言われた拓人は、その直後、階段の手すり越しに映されました。拓人の精神が恵子に囚われた瞬間です。

囚われた者が檻から逃げ出す方法はただ一つ、悪い魔女を倒すこと。

ここに注目!
2話… 恵子の家で階段手すり越しに映る拓人のショット。拓人が精神的に恵子の檻に囚われたことを表している。

 

ドラマ『ディアマイベイビー~私があなたを支配するまで~』と『夫よ、死んでくれないか』の関連は?

同じく2025年春ドラマで、同じテレ東の『夫よ、死んでくれないか』(以下おとしね)との関連性についてですが、結論からいうと、ストーリーは関係ありません。作品的には、まったく別物です。

ただ、ディアマイベイビー主演の松下由樹と、おとしね主演の安達祐実が、お互いの作品にカメオ出演しています。

『ディアマイベイビー』1話に安達祐実が出演!

ディアマイベイビー1話に、恵子がこれまで担当してきた国民的女優・垣内麗奈役で安達祐実が出演しました。

ドラマおとしねでは、安達祐実は夫とのすれ違いに悩む会社員・甲本麻矢を演じており、作品間で役の関連性はありません。

垣内麗奈は、事務所ロジャー・エンターテインメントを離れ、個人事務所を立ち上げ独立しました。長年二人三脚で歩んできた恵子には、「独立の際は恵子も連れていく」と話していましたが、実際には恵子をロジャー・エンターテインメントに残して離れていきました。

『夫よ、死んでくれないか』2話に松下由樹が恵子役で出演!

おとしね2話には、松下由樹がディアマイベイビーと同じく吉川恵子役で出演しました!

安達祐実演じる甲本麻矢とすれ違った恵子が、垣内麗奈と瓜二つの麻矢を見て「麗奈!?」と声をかけるシーンがありました。

恵子はいま担当している拓人の宣材書類を麻矢に見せ、イキイキと話しを続けます。その様子に若干引き気味な麻矢は、恵子に「よくわからないけど、お互い頑張りましょう」と言葉を贈りました。

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『ディアマイベイビー~私があなたを支配するまで~』原作について

『ディアマイベイビー~私があなたを支配するまで~』原作情報

ディアマイベイビー|原作者:MANGAmuse・テレビ東京

その愛は「母性」?「依存」?それとも…女性マネージャー・吉川恵子が、担当俳優・森山拓人へ向ける、異常なまでの愛情の行く先とは! 恵子の様子に、周囲の関係者は口を揃えて「気味が悪かった…」と話す。その愛がエスカレートしていった時に事件が起きる。そして、その事件は日本中を巻き込む大事件へと発展する…!

出典:LINEマンガ『ディアマイベイビー』

原作『ディアマイベイビー』はテレ東とアミューズクリエイティブスタジオの共同制作のwebtoon作品です。webtoonとは縦スクロールで読む、主にスマホ向け、韓国発の新しいマンガスタイルです。

2025年4月時点、現在連載中で、毎週金曜日に最新話が公開されます。

『ディアマイベイビー~私があなたを支配するまで~』原作はどこで読める?

原作『ディアマイベイビー』は以下のサービスで読むことができます。

  • LINEマンガ
  • eBookJapan

いずれのサービスでも、1〜3話まで無料中です!

『ディアマイベイビー』ドラマと原作との違いは?

ストーリーの大筋はほぼそのまま、小さな展開や性格描写は違う

今回ドラマを放送しているテレ東が原作から関わっていることもあり、ストーリーの大筋に目立った違いはありません。

ただ、出会ったきっかけや、初仕事の内容、恵子の束縛行動の内容など、ストーリーがズレない程度の小さな展開に違いはあります。

それと、キャラクターの性格や風貌の描写は原作とドラマでは印象が違います。

恵子のキャラクター描写の違い

ドラマ版恵子は、ちょっと陰湿でヒステリックな、母親的な過保護な支配で拓人を追い詰めます。

原作版恵子は、ドラマ版よりカラリとした明るさがあるバリキャリウーマンという印象で、仕事では関係者に対してパワハラ気味な行動をとります。ドラマのようにネチネチと相手を追い詰めるのではなく、大声で怒鳴りつけてこれまで培った実績によるパワーでプロデューサーたちをねじ伏せます。

ドラマ版ではショートボブヘアですが、原作の恵子はロングヘアをポニーテールにして、パンツスーツに身を包む40代です。

拓人のキャラクター描写の違い

ドラマ版では、慣れない芸能界に苦戦し、恵子に言われるがままに行動する気の優しい青年として描かれますが、原作版の拓人は頭の回転も速く、役者やモデルとしても才能がありスタッフからの評価は上々です。

原作序盤は恵子から叩き込まれた仕事のいろはを吸収し、さらにアイディアを加えて自分のものにしていく向上心があります。

スカウトしてきた恵子を怪しむも、焼肉につられて話を聞くことにしたり、お金のために引っ越し業者のアルバイトをしていたりと、原作ではリアルな若者らしいキャラクターとして描かれます。

 

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