2025春ドラマ狂作No.1『ディアマイベイビー』全話あらすじ・感想&考察!新人俳優に執着の狂愛マネージャー

ドラマ『ディアマイベイビー~私があなたを支配するまで~』作品情報

作品情報

⚫︎ 主演:松下由樹
⚫︎ 原作:MANGAmuse・テレビ東京『ディアマイベイビー』
⚫︎ 脚本:岸本鮎佳
⚫︎ 監督:河原瑶、松丸博孝
⚫︎ 音楽:田井千里
⚫︎ 放送:2025/4/4〜 毎週金曜 夜24時12分
⚫︎ 放送局:テレ東

主題歌

オープニングテーマ:ファントムシータ『すき、きらい』

エンディングテーマ:阿部真央『マリア』

 

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ドラマ『ディアマイベイビー~私があなたを支配するまで~』登場人物・キャスト

吉川恵子(松下由樹)
– 芸能プロ・ロジャーエンターテイメントでマネージャーをしている。新人俳優・拓人の担当になり、愛情をこじらせていく。

森山拓人(野村康太)
– 新人俳優。恵子にスカウトされて業界入りしたが、愛情過多な恵子によって生活も精神も支配されつつある。

森山雪乃(山口紗弥加)
– 拓人の母親。幼い拓人にトラウマを植え付け、現在は別居している。俳優になった拓人の前に再び姿を現す。

南雲美羽(中村ゆりか)
– 女優。拓人とドラマ共演した際、恵子の異常さに気づいて以降、拓人を気にかけている。

山部克己(長妻怜央)
– ロジャーエンターテイメント所属の人気俳優。

奥村進(岩谷健司)
– ロジャーエンターテイメント社長。恵子が拓人に異様なほど執着していることに気づいているが、静観している。

ドラマ『ディアマイベイビー~私があなたを支配するまで~』最終回まで全話ネタバレあらすじ

第1話:運命の出会い

俳優・森山拓人が担当マネージャーをナイフで刺したというニュースが報じられた。

事件より遡ること7か月前。拓人は芸能事務所・ロジャーエンターテイメントのマネージャー・吉川恵子にスカウトされる。恵子は業界でも有名な敏腕マネージャーで、長年二人三脚で歩んできた女優に捨てられる形で裏切られたばかりだった。

スカウトからまもなく、恵子のツテで拓人はドラマのオーディションに参加する。演技経験がない拓人は、緊張でセリフを忘れ、拓人のアピールタイムは途中で打ち切られた。失敗に落ち込む拓人だったが、帰り道、合格の連絡が入る。

オーディション終了後、恵子はプロデューサーにセクハラの証拠を突きつけ、拓人を合格させるよう脅していたのだった。

合格の知らせを聞いた恵子の嬉しそうな笑顔を見て、これまで恵子のことを「厳しい人」だと思っていた拓人は驚き、それから合格の喜びを噛みしめた。

ーー7か月後、恵子の自宅には、血を流しながら横たわる恵子と、血濡れの包丁を握る拓人の姿があった。

第2話:運命の出会い

拓人は初めてのドラマ撮影に臨んでいた。緊張で演技もぎこちない拓人だったが、共演の女優・南雲美羽の気遣いで、拓人の緊張は少しずつ和らいでいく。撮影中、拓人に対して過干渉な恵子を見て、美羽は違和感を感じたようだった。

衣装替え中に、拓人は衣裳スタッフから数人で飲むから来ないかと誘われる。拓人は撮影の足を引っ張っている自覚もあり、少しでもスタッフと仲良くなろうと、参加を承諾。しかし、部屋の外でその会話を聞いていた恵子は、怒りを募らせながら弁当を握りつぶすのだった。

拓人が出演するシーンが追加されることになった。撮影休憩中に、恵子が監督に取り入ってシーンを追加させたのだ。

追加されたのは、美羽の肩にジャケットをかけてあげるシーン。ジャケットを羽織った美羽は「痛っ」と声をあげる。ジャケット内側には、針が刺さっていた。針はもちろん、恵子が事前に仕込んでおいたものだ。

騒ぎを聞きつけた恵子は、衣裳スタッフを憤怒の形相で責め立てる。さらに衣裳スタッフが拓人をこそこそ誘惑していると暴露し、スタッフ降板を希望した。

その夜恵子は、自信が持てない様子の拓人に、拓人がどれほど特別な存在かを言って聞かせる。幼少期、母親からネグレクトを受けていた拓人は、拓人の存在価値を熱く語ってくれる恵子の言葉を、驚いたように目を見開いてじっと聞いていた。

それから二人は、今後の拓人の躍進を願って、ワインで乾杯する。拓人のグラスには睡眠薬が混ぜられていた。恵子は眠ってる拓人の顔を激写し、愛おしそうに見つめた。

ドラマ『ディアマイベイビー~私があなたを支配するまで~』感想

芸能界の森に迷い込んだ姫と悪い魔女

Ado製アイドル・ファントムシータのオープニング曲や恵子の自宅、効果音にもあちこちにダークメルヘンな要素があるこのドラマ。

舞台は悪い大人の木が鬱蒼と茂り、闇で見通しもきかない芸能界の森の中。恵子は新人俳優・拓人を己の欲望のために育てる悪い魔女ということは、拓人は無垢なプリンセスということでよろしいでしょうか?

魔女の甘い言葉につられて森に迷い込み、魔女が自分見つめる目の奥には怪しい光が宿っていることにはまだ気がつきません。

どうやら恵子がおかしいと1話の一瞬で見抜いた美羽ちゃんは、拓人を闇から救い出す王子様ですね!

恵子を刺した拓人は、魔女の洗脳に気づき、悪夢から抜け出そうとして走っているところだったに違いない。拓人姫にハッピーエンドが訪れますように!

どうせ刺されるからハラハラ度はあっさり

冒頭ですでに、愛をこじらせた恵子が拓人に刺されるのが分かってしまっているので、恵子の異常な行動を見て、「拓人これからどうなっちゃうの?」と心配でハラハラ!な気持ちにはあまりなりません。

最後には刺されるというエクスキューズがあるから狂気を見届けられるという、ホラーやスリラーの強刺激が苦手なマイルド嗜好さんでも大丈夫な安心設計になっています◎

1話の時間もだいたい25分くらいと短いので、気持ちが暗く落ち切る前に切り上げてくれます。恵子のメルヘンな部屋や華麗な祭壇のような拓人部屋でリアリティが薄れるおかげで、ちょっとコメディにも見えてくる。

こういう愛に狂う女の物語は、女がクレバーなほどおもしろいと思います。なりふりかまわず「私の男よ!」と周りを蹴散らすんじゃなく、芸能マネージャーとしてきちんと実績やツテがあるうえで、担当を売り出すためにやっているのが恵子の賢いところ。

恵子が以前マネージャーをしていた垣内麗奈も、国民的女優にまで昇り詰めたのは恵子のおかげと認めていたから、独立という形でしか恵子を遠ざけられなかったんだろうな。

芸能界、メンタル強くなきゃのし上がっていけないのかと思うと、苦悩をちらりとも出さずに今日も可愛い姿を見せてくれる女優さんたちに頭が下がる思いがします。

ドラマ『ディアマイベイビー~私があなたを支配するまで~』考察・解説

檻に閉じ込められた拓人

恵子の家は、まるで魔女の館のようです。

2話時点で夜しか映っていない家の外観は、玄関先の電球が切れかけてチカチカ点滅しているし、外に立っている木が外壁に細い影を落とします。金属製の門をギイイと軋ませて、魔女さながらフードを被って出てくる恵子。どこまでも不気味。

室内は、黒い木が張り巡らされた天井に、曲線的な階段の手すりの小柱は黒、黒いワイヤーで形作られたテーブル。ところどころ黒で彩られた、重厚感のあるインテリア。画面に黒い線が何本も並ぶ様子は、檻のようにも見えます。

特に、階段の手すりの柵越しに映るショットは、柵の向こうの人物が本当に檻の中に囚われたことを意味します。

2話で恵子に「あなたの居場所はここ」と言われた拓人は、その直後、階段の手すり越しに映されました。拓人の精神が恵子に囚われた瞬間です。

囚われた者が檻から逃げ出す方法はただ一つ、悪い魔女を倒すこと。

ここに注目!
2話… 恵子の家で階段手すり越しに映る拓人のショット。拓人が精神的に恵子の檻に囚われたことを表している。