映画『シドニー・ホワイトと7人のオタク』ネタバレ感想&見どころ解説|もしも白雪姫をキャンパスライフに置き換えたら…

もしも白雪姫が大学生だったら…7人の小人たちはオタク男子学生!?

2007年公開の『シドニー・ホワイトと7人のオタク』は、童話『白雪姫』を現代版に置き換えた異色作だ。

童話『白雪姫』をモチーフにした設定や小ネタも満載で、古典的なおとぎ話と2000年代のティーン文化を絶妙に融合。

華やかな学園社会の裏で、”自分らしさ”とは何かを問いかける、意外にも鋭いティーンコメディである本作を、早速レビューしていきます!

本記事は感想にネタバレを含みます。まだ未視聴の方はご注意ください◎

映画『シドニー・ホワイトと7人のオタク』の評価

 

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総合評価  3.7 / 5

評価コメント:白雪姫を現代版に再構築したお気軽コメディ

2000年代ティーン映画黄金期の華やかさを踏襲しながら、童話『白雪姫』を現代版に再構築した『シドニー・ホワイトと7人のオタク』。

小人たちをオタクに置き換えたキャラクター構成は秀逸で、毒リンゴや「ハイホー」など随所にオマージュが散りばめられ、ディズニー版白雪姫ファンにはたまらない!

見た目の美しさに固執しするあまりの窮屈な生き方を笑い飛ばし、内面や個性の重要さを説くメッセージ性は、SNS時代の今見ても、少しも古臭く感じられない。

地味で控えめな女子が変身して学校のカーストトップにのしあがるストーリーが人気を博した2000年代作品としては、異例の先進性を持ったティーンコメディである。

ストーリーはどこまでも先が読めるが、設定や演出がユニークなので退屈せずに楽しめる。家族で見る映画にもおすすめ!

  • ディズニー版『白雪姫』のハイホー♪を今思い出せる人
  • キューティー・ブロンドなど2000年代ティーンコメディを楽しく見られる人
  • アマンダがトレイシーの親友ペニー役で出演した『ヘア・スプレー』を見たことがある人
  • 学生のころ、男子寮or女子寮に入っていた人

 

映画『シドニー・ホワイトと7人のオタク』が視聴できる配信サービス

  • Netflix
  • Amazon プライムビデオ(レンタル)

現在、Netflixで見放題視聴が可能です!

映画『シドニー・ホワイトと7人のオタク』ネタバレなしあらすじ

幼いころに母親を亡くしたシドニー・ホワイトは、配管工をしている父親と大勢の男性従業員の元で育てられた、男勝りだが快活で素直な少女だ。母の母校である大学に進学が決まり、母も所属していた名門女子クラブ〈カッパ・フィー〉への入会を夢見ている。

入学早々、カッパ会長のレイチェルに目を付けられてしまったシドニーは、入会試験でレイチェルから理不尽な扱いを受け、クラブから追放されてしまう。

寮を追い出され居場所を失ったシドニーは、変わり者が集まるボルテックス寮に身を寄せる。ボルテックス寮には、学校で変人扱いされる個性的な7人の“オタク”たちが暮らしていた。

仲間を得たシドニーは、カッパが目指す“完璧な女子像”に縛られず自然体でいることの良さに気づく。そんなシドニーの明るさと公平さはボルテックス寮のオタクたちを勇気づけていく。

レイチェルがボルテックス寮を取り壊し、新しい施設建設を企てていることを知ったシドニーは、オタクたちと共に立ち上がり学生選挙に出馬する。

学園の女王レイチェル VS 変わり者女子と冴えないオタクの、寮存続を賭けた戦いの結果はーー!?

映画『シドニー・ホワイトと7人のオタク』ネタバレあり感想

ブロンドクイーンが牛耳るY2Kティーンコメディ

本作が公開されたのは2007年。2000年代はティーン映画の黄金期と言われている。

この頃のティーン向け作品は、ブロンド美女がみんなの憧れのマドンナとして学園を支配する作品がとても多かった。『ゴシップガール』や『THE O.C.』、『ミーン・ガールズ』などなど。いずれも、世界中のティーンを魅了してきたキラキラ作品である。

2000年代、ブロンド白人美女は、世界中の女性のトップに君臨していたと言えよう。

しかし20年の時を経た今、ブロンド白人美女至上主義が、もう古臭く感じられることが素直に喜ばしい。

本作でも、名門女子クラブ「カッパ・フィー」のメンバーはいずれもブロンド。大勢並ぶと見分けが付かないほどの没個性、今で言う量産型だ。

SNSが普及する前のこの頃は、グループに属してステータスを確立することが、社会に自分をアピールする方法だった。そのため、この時代のティーン作品にはやたらと「学園の女王とその取り巻き」が登場する。

しかし、『ウェンズデー』や『クイーンズ・ギャンビッド』など昨今のヒット作では、個性的なヒロインたちは、はなから学校のグループに加わる選択肢を持たない。かと言って、孤立するわけではなく独自のコミュニティを築いている。

これは今や人と馴染めないほどのこだわりがあることも「個性」だと認められ、互いに干渉せず棲み分ける「共存」が出来るようになったことを示している。

1990年代までは、オタクは変人として世間から白い目で見られる特異な存在として登場していたが、2010年代からは型にはまらず自分らしく生きる自由な存在として描かれることが増えた。

「オタクだろうとマイノリティだろうと、社会の中で劣等感を抱えることなく、望むままに生きることは当然」というのは今や世界的共通認識だ。

童話『白雪姫』のオマージュがあちこちに散りばめられた、親しみやすいスクールコメディでありながら、約20年前の時点でマイノリティを肯定する先進的な作品であり、今見ても共感する点が多いことには驚かされる。

惜しいところをあげるとすれば、作中で登場するマイノリティが白人ばかりで、セクシャリティや人種、外見のバリエーションが乏しかった点。

そもそも、変わり者のオタクはマイノリティなのか。彼らのさらに向こう、人との違いを抱えながら隠れている人たちを描かなかったことは、真のマイノリティを尊重するにはまだ時代が一歩及ばずと言ったところだろうか。

ボルテックス寮のオタクたちの魅力

7人の男子学生が暮らす寮の中に、女子が1人。もし現実でこんなシチュエーションがあったら、「男は狼なのよ」の言葉とともに全力で彼女を止めるだろう。

ボルテックス寮のオタクたちが、シドニーを意識すべき異性としてではなく、境界線のこちら側にいる仲間として接するところがとても良かった。無防備に干されたブラを宇宙の神秘かのごとく崇める楽しいシーンもあったけれど。

シドニーと初デートに出かけるタイラーを、「変な真似したらタダじゃおかない」と脅すオタクたちの可愛いこと!

童話版白雪姫の小人たちの個性を反映させたキャラクターの描き分けも見事。

男だらけの環境で育ったシドニーの、男女美醜に関わらず分け隔てなく接する太陽のような人柄もちろんだが、ピュアで清々しいオタクたちこそ本作の魅力だ。

見た目に華はないが優しさ溢れる彼らを、愛を持って見てくれる女性が現れる展開にも胸があたたかくなる。

それに対して、誰よりも近いポジションにいながらレイチェルの暴走をただ傍観するばかりのタイラーの、優しさを被った煮え切らない男ぶりには、苛立ちを覚えてしまった。

シドニー役のアマンダ・バインズは、元スター子役女優の例に漏れずプライベートのはちゃめちゃ奇行が注目を集め、女優の活動を控え製作側に徹した今でも度々メディアに取り上げられる。

2023年には全裸で街を歩き回っているところを自ら警察に保護を求めたというニュースが記憶に新しい。

本作公開同年には、『ヘアスプレー』にも出演していて、この頃がアマンダの落陽前の最後の輝きかと思うと、少し切なくもある。

映画『シドニー・ホワイトと7人のオタク』見どころ解説

作中に散りばめられた白雪姫オマージュに注目!

作中の至るところに、童話やディズニー版『白雪姫』へのオマージュが見られる。

  • キャラクターたちの名前(シドニー・“ホワイト”[白雪姫]、レイチェル・“ウィッチ”バーン[魔女]、タイラー・“プリンス“[王子])
  • 7人の小人の性格を反映させた7人のオタクたち
  • 学校一の美人を決める投票制ランキング(魔法の鏡)
  • プラカードを肩に担ぎ行進しながら「ハイホー」(ディズニー版の小人たちはツルハシを担いでハイホーを歌いながら歩く)
  • ハッキングされたシドニーのPCに浮かぶ「毒リンゴ」マーク(シドニーのApple社MacBookが毒に侵されたことも揶揄)
  • 徹夜疲れで眠るシドニーはタイラーのキスで目覚める

共通点に気づくたびに驚き、楽しさが増していく。

ディズニー好きの人なら、もっと細かいポイントまで見つけられるかもしれない。ぜひ、このクイズラリーのようなワクワクを体験してほしい!

映画『シドニー・ホワイトと7人のオタク』主な登場人物・キャスト

シドニー・ホワイト(アマンダ・バインズ)
– 幼い頃に母親を亡くし、配管工の父親と男性従業員たちに育てられた明るくて快活な少女。母が大学生の頃に所属した社交クラブ「カッパ・フィー」に入会を希望している。

レイチェル・ウィッチバーン(サラ・パクストン)
– カッパ・フィー現会長。利己的な独裁主義者だが学校内での影響力は強く、校内美女ランキングは不動の一位。

タイラー・プリンス(マット・ロング)
– レイチェルの元カレで学校一のイケメン。気さくで誰にも公平なシドニーに好意を抱く。

ディンキー(クリスタル・ハント)
– シドニーのルームメイトで入学初日に仲良くなる。カッパ卒業生の母を持ち、カッパ入会を夢見ている。

ポール・ホワイト(ジョン・シュナイダー)
– シドニーの父親で職業は配管工。妻亡きあと、男手一つでシドニーを育て上げた。

ボルテックス寮のオタクたち

レニー(ジャック・カーペンター)
– アメコミオタクのボルテックス生。カッパ生に嫌な目に合わされたが、行き場を無くしたシドニーを放っておけずボルテックスに誘う。【小人:くしゃみ】

テレンス(ジェレミー・ハワード)
– ボルテックス生で、留年続きで大学に8年在籍している。長らく謎の科学研究を続けている。【小人:先生】

グルキン(ダニー・ストロング)
– ボルテックス生。ブログ「ピープルパニッシャー」に世の中への不満をぶつけている。【小人:おこりんぼ】

スパンキー(サム・レヴァイン)
– ボルテックス生。女好きだが全くモテず、女性との付き合いが下手な童貞キャラ。【小人:ごきげん】

ジェレミー(アダム・ヘンダーショット)
– ボルテックス生。恥ずかしがり屋で、常に人形を手にはめて腹話術で喋る。【小人:てれすけ】

エンベレ(ドンテ・ボナー)
– ボルテックス生。ナイジェリアからの留学生で、3年前に入学以来、時差ぼけによる昼夜逆転生活を送っている。【小人:ねぼすけ】

ジョージ(ドンテ・ボナー)
– ボルテックス生。小柄で純朴な青年だが、何でも信じてしまう。【小人:おとぼけ】

映画『シドニー・ホワイトと7人のオタク』作品情報

作品情報

⚫︎ 公開年:2007年
⚫︎ 製作国:アメリカ
⚫︎ 尺:109分
⚫︎ 監督:ジョー・ナスバウム
⚫︎ 脚本:チャド・ゴメス・クリージー
⚫︎ 撮影:マーク・アーウィン
⚫︎ 音楽:デボラ・ルーリー
⚫︎ 原題:SYDNEY WHITE

予告動画

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