2024年公開の『犯罪都市 PUNISHMENT』は、シリーズの“熱量”をさらに進化させた、拳と執念が火花を散らす第4作目だ。
IT犯罪が横行する現代においても、マ・ソクトは一切ぶれない。ただ真っすぐに人を信じ、正義の拳で悪を倒す――そんな原始的で泥臭い正義が、逆にいまの時代にはまぶしく映る。
荒々しいアクションの快感と、仲間同士の絆が見せる温かさ。そして、サイバー犯罪という新時代の壁に、不器用な肉体派たちがどう立ち向かうのか――本作は、シリーズの魅力をそのままに、社会背景とキャラクターの葛藤をより深く描き出している。
この記事では、映画の感想や見どころを解説していきます。鑑賞済みの方は余韻の整理に、気になっている方は参考にどうぞ!
本記事は感想にネタバレを含みます。まだ未視聴の方はご注意ください◎
映画『犯罪都市 PUNISHMENT』の評価

総合評価 3.9 / 5 点
評価コメント:熱い拳でストレスも吹っ飛ばすマブリー兄貴最高!
映画『犯罪都市 PUNISHMENT』は、主人公マ・ソクト刑事の豪快な肉弾戦と、仲間との熱い絆が胸を打つシリーズ4作目。
シリーズ前作を見ていなくても、まったく問題ないので本作からのシリーズ入門もおすすめ!
銃を使わず拳で敵をねじ伏せるソクトの姿は、現代に蘇った“情熱系ヒーロー”そのもの。弱い者を放っておけない彼を兄貴分として慕う部下たちの男たちの絆や、強敵チャンギとの宿命的な対決は、少年マンガのような高揚と爽快感を生む。
物語はオンラインカジノ企業を巡るサイバー犯罪が軸となる。スマートに生きることが求められる現代に真っ向から逆走するソクトのような昔気質の人間が、先進的な犯罪で、どのように“自分のやり方”を貫き通すのかも見どころ。
さらに、コミカル担当チャン・イスが抜群の存在感で、緊迫した展開に絶妙な笑いを添え、作品のテンポを軽快にしてくれる。ソクトの正義の拳が、こちらのストレスまで吹き飛ばしてくれる娯楽作だ。
- 日本の”破天荒な刑事が活躍する”ドラマや映画が好きな人
- ”かわいいおじさん”になぜか惹かれてしまう人
- ボクシングをかじったことがある人
- 宮藤官九郎っぽい変人コミカルな笑いが好みの人
映画『犯罪都市 PUNISHMENT』が視聴できる配信サービス
見放題視聴ができる配信サービス
現在、Netflix、Hulu、U-NEXT、FODで見放題視聴が可能です!
レンタル視聴ができる配信サービス
- Amazonプライムビデオ
- DMM TV
- Apple TV
- TELASA
映画『犯罪都市 PUNISHMENT』ネタバレなしあらすじ
ソウル広域捜査隊所属の刑事 マ・ソクトは、鍛え抜かれた剛腕でどんな凶悪な犯罪者にも立ち向かう怪物刑事。
巷でフードデリバリーアプリを装った麻薬密売アプリが流行していた。薬物密売グループを捕まえたソクトは、アプリの開発者チェ・ソンジェを指名手配するが、ソンジェはつい数日前にフィリピンで死亡していた。
しかし、麻薬アプリはソンジェが開発したオープンソースを利用していただけで、当のソンジェは関わっていなかったことが判明。さらに、ソンジェは違法オンラインカジノ「皇帝カジノ」開発のためフィリピンに監禁・強制労働させられていて、逃亡をはかったために殺されたとわかった。ソンジェの母親はソクトに「代わりに犯人を罰してほしい」と託し、息子の後を追って自死した。
「皇帝カジノ」は完全紹介制で、運営者も不明、拠点はフィリピンと謎ばかり。元マフィアのチャン・イスも巻き込んで捜査を続けるうちに、黒幕に近づいていく。
皇帝カジノ首謀者は、韓国のIT企業「QMホールディングス」CEOで”ITの天才”の異名を持つチャン・ドンチョルだった。元特殊傭兵のペク・チャンギにフィリピンの同業他社を襲わせ、会員データを奪うことで会員数を増やしていた。チャンギは、ドンチョルから配当金が支払われないことに業を煮やし、次第にドンチョルに殺意を抱く。
ソンジェ殺害はチャンギの仕業だと知ったソクトはチャンギを追うが、チャンギは圧倒的な戦闘スキルでソクトの追撃を躱す。
高度なIT技術を駆使した国際規模のサイバー犯罪と、かつてない強敵に、ソクトたち捜査チームは勝てるのか!?
映画『犯罪都市 PUNISHMENT』ネタバレあり感想
熱い拳と男の絆!現代韓国版『ONE PIECE』
刑事ドラマなのに、マ・ソクトは銃を一切使わない。どんな強敵相手でも、狙いを定めてじりじりと距離を詰めて肉弾戦に持ち込み、拳で倒す。人も物も豪快に薙ぎ倒し、猪突猛進に突き進むソクトは、部下3人がかりでも止められない。まさに獣である!
そして、情に厚く弱気に優しいソクトは、周囲から絶大な信頼を得ている。ソクト兄貴を慕う部下たちとの男の絆は、裏切りや策略がそこかしこに潜む現代作品においては、とてもまぶしく純粋なものに映る。
スマートで無駄がない生き方と、ライトで気楽な人間関係が好まれる現代では、一昔前の作品のような、荒くれ者だが優しい熱血漢がはちゃめちゃに暴れて解決するストーリーは、暑苦しくて時代にそぐわない。
本作は、そんな遠巻きにされてきた「情熱」と「絆」を現代に呼び起こす、熱いハートを宿した作品だ。
これで4作目になる『犯罪都市』シリーズは現代韓国を舞台にした『ONE PIECE』だと思っている。助けを求められ、仲間と力を合わせて拳で解決し、約束を果たす。ソクトのやっていることは、ほぼルフィと同じである。
作中で描かれるライバル関係にも興奮せずにはいられない。ソクトとチャンギが、エレベーターに偶然乗り合わせた数秒でお互い運命の相手だと察したように、強い者同士は嗅覚で惹かれ合う。
強くて優しいヒーローが、強大な組織犯罪とライバルに立ち向かう構成は、王道少年マンガのそれであり、おもしろさは折り紙つきだ。
冒頭の殺人シーンから下っ端の逮捕や潜入捜査、どの出来事をとっても重要で、事件がぐいぐい進展していく、明確で歯切れの良い脚本。観客を一瞬たりとも迷わせない“導線のうまさ”が光り、物語の熱量をまっすぐ届けてくれる。
難しいことをぐだぐだ考え悩む思考を一旦止め、ストレスを吹っ飛ばしてくれるこの爽快な作品は、スマートに生きようと忙しない日々を頑張る人にこそおすすめしたい。
サイバー犯罪から取り残される肉体派たち
本作では、「時代から取り残されつつある古いタイプの人間にはいま何ができるか」が問われている。
表向きは大手IT企業だが、裏では違法オンラインカジノを運営する「QMホールディングス」社長ドンチョルは、人間的には矮小な男だが、”ITの天才”と称されるほどの頭脳と視野の広さを持つことは確かだ。
一方でソクトやチャンギの武器は、己の身一つ。どんなに身体を鍛えても、ITに疎いソクトだけじゃサイバー犯罪は解決できない。
ソクトはわからない分野は、潔く人に頼ることで解決する。自分がするべきは「現場で犯人を捕まえる」ことだけに絞り、出来ない・わからないことを恥じたり悩んだりはしない。
ものすごいスピードで新しいIT技術が現れては消えていく。今はTikTokもPayPayもわかるけれど、10年後の新しいサービスはもう理解ができないかもしれない。
知識がついていけなくなったら、ソクトのように、そっちはわかる人に任せて自分のできることをする!作品の中でも現実でも、時代に取り残されずにうまく乗っていくコツだと思う。
そのうち、プログラムもハッキングもできる超次元的身体能力を持つ暗殺者のキャラクターが現れたりするんだろうか。いまのところ、強敵の強みは頭か肉体かどちらかだけか、頭脳派が戦うにしてもメカ頼みだったりする。
プログラミングが必修となったいまのキッズたちが大人になるころには、プログラミングスキルを駆使した犯罪は珍しくなくなっているのかもしれない。
チャンギをもっと深掘りしてほしかった
作中の絶対的な強敵・チャンギの、人物描写がもっとほしかった。
チャンギの犯行動機が、最後までよくわからない。金のためか、ドンチョルに蔑ろにされたための報復か。
大量殺人で特殊傭兵をクビになったのも、元々血に飢えた狂人なのか、大勢を殺さなければいけない過酷な任務に就いていたのかも明かされない。
最後まで、チャンギについては「なぜ?」が解消されないままだったし、逮捕されたチャンギがどうなったのかも気になるところ。
キム・ムヨルの気品と色気もあり、魅力的なライバルだったので、もっと共感や奥行きのあるキャラクター描写があったらよかったなと思った。
本作は吹き替えキャストも豪華で、マ・ソクトは小山力也、チャンギは櫻井孝宏、ドンチョルは福山潤と、アニメ好きな人は絶対吹替版を選んでしまうはず。私もこのあと吹替版でもう一回見てきます!
映画『犯罪都市 PUNISHMENT』見どころ解説
見どころ①:マ・ドンソクの人類最強レベルの鉄拳
本作の見どころはなんと言ってもボクシング経験者マ・ドンソクの、コンパクトな動きでスピーディなパンチ!
血気盛んな成人男性さえ一撃で仕留める鉄拳は、見ていて快感でさえある。
暴走する肉弾列車のような怪物かと思えば、情に厚く仲間思いで、さらに子どもにも優しいマ・ソクト刑事。
犯罪都市シリーズ5作目の制作も予定されており、本シリーズがここまで愛されるのは、ソクトとマブリー(マ・ドンソクの愛称)が完璧にマッチングし、世界中から理想の「頼れる兄貴」と認められたからだろう。
見どころ②:爆笑必至!コミカル担当チャン・イス
作中の笑いを一人で引き受ける、元中国マフィアのチャン・イスは、一度見たら忘れられないインパクト大のキャラクターだ。シリーズ1作目『犯罪都市』に初登場、2作目以来のカムバック出演となる。
全身GUCCIの派手な装いに胡散臭いロン毛も強烈だし、緊迫したシーンにも軽妙な笑いを混ぜ込んでくれるチャン・イスはコメディーリリーフの役割を完璧に果たしている。
ソクトにうまく乗せられて使命感に燃えるバカ正直さも最高で、気づけば大好きなキャラクターになっていること間違いなし。
日本の俳優だったら誰がこの役に似合うだろう…。やっぱり、ムロツヨシか阿部サダヲでしょうか。となると、脚本は宮藤官九郎でファイナルアンサー!
映画『犯罪都市 PUNISHMENT』主な登場人物・キャスト
ソウル地方警察庁
マ・ソクト(マ・ドンソク、吹替:小山力也)
– これまで数々の凶悪事件を拳で解決してきた広域捜査隊 所属の刑事。上司には問題児扱いされているが、部下からの信頼は厚い頼れる兄貴。
キム・マンジェ(キム・ミンジェ、吹替:飯島肇)
– 広域捜査隊所属の刑事でソクトの部下。
チャン・テス(イ・ボムス、吹替:森久保祥太郎)
– 広域捜査隊長。
ヤン・ジョンス(イ・ジフン、吹替:佐々木啓夫)
– 広域捜査隊員。
チョン・デビッド(キム・ドゴン、吹替:多田啓太)
– 広域捜査隊員。
ハン・ジス(イ・ジュビン、吹替:三重野帆貴)
– ソウル地方警察庁サイバー捜査隊捜査官で、ソクトの要請でチームに参加する。
カン・ナムス(キム・シンビ、吹替:木暮晃石)
– サイバー捜査隊捜査官。ジスとともに捜査チームに参加。
イ・サンヨン(チョン・インギ)
– ソウル地方警察庁次長。ソクトの上司で、荒くれ刑事のソクトに手を焼いている。
クォン・イリョン(クォン・イリョン)
– ソウル地方警察庁長官。本作の警察監修を務めるクォン・イリョンのカメオ出演。
皇帝カジノ運営組織
ペク・チャンギ(キム・ムヨル、吹替:櫻井孝宏)
– フィリピンの皇帝カジノ事業所で現場指揮と他社からのユーザー強奪を担当している。冷静かつ残酷な元特殊傭兵。
チャン・ドンチョル(イ・ドンフィ、吹替:福山潤)
– 表向きは暗号資産事業で上場間近の「QMホールディングス」CEO、裏では皇帝カジノを運営している。
チョ・ジフン(キム・ジフン、吹替:岩河拓吾)
– チャンギの右腕で皇帝カジノ現場運営に携わっている。チャンギと同じく元特殊傭兵を大量殺人で解雇された。
チェ・ユソン(ぺ・ジェウォン)
– 表向きは「ユソンアパレル」社長だが、皇帝カジノの資金洗浄と集客を担当している。
クォン・テウン(ヒョン・ボンシク、吹替:金光宣明)
– 韓国マフィアのボスで、ドンチョルからチャンギの後釜として皇帝カジノ運営に誘われる。
事件関係者
チョ・ソンジェ(ペク・スホ)
– プログラマー。フィリピンの皇帝カジノで強制的に働かされていたが脱走し、チャンギに殺害される。
ソンジェの母親(ペ・ヘソン)
– 息子の潔白を信じ、ソクトに犯人逮捕を託して自死した。
コ・ジェヒョク(キム・ミョンギ)
– 富裕層向けの資産管理をしており、ドンチョルおよび「QMホールディングス」の資産管理を請け負っている。
チャン・イス(パク・ジファン、吹替:佐藤せつじ)
– マフィア「イス組」の元ボスで、マフィアの世界からは足を洗い、現在は違法ゲームセンターを経営している。事件のたびにソクトに振り回されている。
映画『犯罪都市 PUNISHMENT』作品情報
作品情報
⚫︎ 製作国:韓国
⚫︎ 尺:109分
⚫︎ 監督:ホ・ミョンヘン
⚫︎ 企画:マ・ドンソク
⚫︎ 脚本:オ・ソンホ
⚫︎ 撮影:イ・ソンジェ
⚫︎ 音楽:ユン・イルサン
⚫︎ 原題:The Roundup: Punishment
予告動画
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